2012年2月8日水曜日

Ice Cream SandwichのGUIが好きになれない理由

Ice Cream Sandwich(以下ICS)ではUIが大きく刷新され、見た目は随分美しくなり、使い勝手も大きく変更された。しかし、私的には変更されたUIのダメな所が目立って見えてしまう。確かにアニメーション等の細部を見ればエレガントなのかもしれないが、根本的なGUIの設計がスマートフォンの利用形態に適していないように思う。その理由を2つ、以下に挙げる。

1. 再編成された下部のボタン

ICSでは、画面下部のボタンが4ボタンから3ボタンに再編成され、そのボタン構成は大きく変動した。今まで、画面下部には「戻る」、「メニュー」、「検索」、「ホーム」の4つのボタン(端末によっては検索ボタンが省略されていることもある)が配置されていたが、ICSからはこれが「戻る」、「ホーム」、[最近使ったアプリ]の3つになった。
この再編成ははっきり言って私はよくないと思う。2.3以前ではホームのロングタップによって最近使ったアプリの機能を呼び出していたので、それを鑑みれば完全に機能の削減しか行われていないと言える。Googleは、この機能の削減について、「使用可能な機能を常に画面上に表示しておきたい(参照)」ということを理由としているが、この主張にはどうも納得がいかない。
ICSのホームアプリは、初回起動時に、画面中央下のボタンを押すとアプリケーションの一覧が表示されること、アプリの起動方法等をチュートリアルとして表示してくれる。ICSでは、本体下部のボタンも画面内に表示されるのだから、ホームをロングタップすることで最近使ったアプリの機能を呼び出せることを明示すればよいだけの話である。
メニューを非表示にした理由は、これらの機能がアクションバー内部に組み込まれたからであるが、アクションバー自体がそもそもスマートフォンにおける小さな画面内に常に表示されるというナンセンスさを孕んでいる。これについては第2項で後述する。
端末の横幅を考えれば、4つのボタンを配置するのはベストのバランスであるように思う。押し間違いが生じたり、押しにくくなったり、あるいは機能について混乱が生じない限り、ボタンの数は多ければ多い程良いと私は考える。

2. アクションバーのナンセンスさ

メニューボタンはアプリにより表示位置が異なり、右上や右下に表示される。
Honeycomb以降、Googleはユーザに分かりやすいように、使用できる機能を常に画面内に表示する、というスタンスを示した。ユーザに分かりやすいインタフェースを作ろう、というGoogleの姿勢はおおいに評価できるものであるが、アクションバーの実装ははっきり言って気に入らない。
まず、アクションバーは画面の表示領域を狭める。これは、画面の広いタブレットならまだしも、画面の狭い(あるいは、できるだけ表示領域を広くしたい)スマートフォンにおいては致命的と言える。使用できる機能を常に画面内に表示したいならば、メニューボタンに対する動作が設定されたアプリケーションではメニューボタンを表示し、メニューボタンに対する動作が設定されていないアプリケーションではこれを非表示にすればよいだけの話である。
次に、アクションバーはメニューにより呼び出されるボタン類と異なり、基本的にアイコンのみの表示であり、テキストが表示されない。このため、アプリケーションによってはそのアイコンが何を意味するのか全く分からない。Gmailのアクションバーにある既読にする、はまだしも、アーカイブ等、誰が最初に見てすぐに分かるだろうか?(そしてアーカイブを押すと警告なしにアーカイブされてしまい、元に戻すのが面倒である)。更に言えば、アクションバーのボタンは既存のメニューで表示されるボタンよりも小さく押しづらい。
最後に、アクションバーの分断問題が挙げられる。これは、HoneycombとGingerbreadを統合する上で、画面の狭さをカバーするために採られたAndroidのAPIの実装上の問題であるが、これにより、アプリケーションによって、アクションバーが分断されていたりここにさらに補足、メニューボタンが画面右上にあるために非常に押しづらい、などの問題が生じる。画面が大型化する傾向にあるスマートフォンにおいて、片手で操作する上で画面上部にあるボタン、というのは非常に押しづらい。タスクバーの引き下げ等、大雑把な操作で良いものは問題ないが、小さなボタンのタップは困難を極める。

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