2012年12月8日土曜日

Surfaceが目指す方向性とアーキテクチャ

次期Surface ProにあたるSurface Pro 2がAMDのアーキテクチャを採用すると噂だ。これがもし本当なら何を意味するのか。

まず、Windows 8タブレットの現状について。

IntelのClover Trail世代のAtomアーキテクチャを採用するWindows 8タブレットが多数見られる一方で、
AMDのHondo世代Z-60アーキテクチャを採用するものはまだ殆ど見られない。富士通の10.1型タブレット「STYLISTIC Q572/F」はZ-60を採用しているが、法人向けであり個人ユーザ間での認知度は極めて低い。その他も、Z-60を採用する製品で、ユーザ間での認知度の高い物は皆無と言っていいレベルだろう。

次、現行のSurface ProとSurface Pro 2の比較。

Surface ProがIntel Core i5を採用する一方で、その後継であるSurface Pro 2はIntel Atomの対抗馬にあたるZ-60の後継にあたるTemashを採用する、という噂はかなり興味深い。このリーク情報の信頼度は低くもないし高くもないが、これが本当なら、Microsoftは現行のAtomはWindows 8を動かすには力量不足で、Core iプロセッサが必要だが、次の世代ではAtomと同等のランクのアーキテクチャでもマシンパワーが足りる、と考えているということになる。あるいは、Surface 「Pro」なのであるから、採用するアーキテクチャにもある程度のプレミアリティーが必要だと考えていたが、その考えを改めた、とも考えられる。

最後に、Intel Core iアーキテクチャとAMD Temashの比較。

従来のIntelのアーキテクチャとAMDのアーキテクチャを比べると、AMDがAPUを自称する通り、AMDの方が比較的高性能なチップセット内蔵グラフィックスを実現していることも、Surface ProがFullHDのディスプレイを採用していることと併せて考えれば後継機での採用を後押しする要素となる(最近はIntelのチップセット内蔵グラフィックスの性能もあがったが)。つまり、X86互換のアーキテクチャを採用するにあたって、AtomではCPUは問題ないがグラフィックスの処理能力が足りないからCore iアーキテクチャを採用せざるを得なかったが、AMDのアーキテクチャを採用することでこれを解消しようと考えているのではないか、ということだ。現行のSurface Proで、軽快な操作を実現し、要求されるユーザ体験を実現するために、Atomアーキテクチャを採用せずCore iアーキテクチャを採用するという考えは十分に理解できる。
TemashがSurface Pro 2に採用されれば、現行のAtom採用Windows 8タブレットと同等、Windows RTタブレットに迫るバッテリーライフと重量、そして軽快な操作を両立できる可能性は高いと思われる。期待が懸かる。
本記事で私が述べたいことはTemashを採用することの意味と、それに対する期待だが、最後に述べる私の本音はこうだ。
「Surface Proは買い控えして、Pro 2を買おうかな」

参考文献