世界初のWindows Phone 7.5端末であるIS12Tが発売された。Windows Phoneの特徴はかねがね聞いていたが、実際に触ってみることでその全貌が見えてきた(本質とまでは言わないが)ので、ここで解説を行いたい。
Windows Phone 7はiPhoneとAndroidの良いところを兼ね備えている。Microsoftによる(Appleほどではないが)厳格な統制によって、ハードはしっかりと管理されている。また、ソフト面ではMetroUIによって、全体に統一感をもたせている。ただし、このMetroUIそのものは特別に重要な点ではない。重要な点はその開発環境にある。
Windows Phone 7は開発環境が非常に充実している。SDKの導入は少々大変だが、IDEの完成度が非常に高く、MetroUIの特徴でもあるパノラマインタフェースと併せて他のOSに対する大きなアドバンテージと言えるだろう。
そして、Androidから取り入れられている良いところは、ずばりAndroidの大きな特徴であるインテントだ。Windows Phone 7ではこのインテントをより一歩推し進めた物を採用している。それがPeopleハブの本質だ。Androidでは、アプリケーションがインテントを通じてデータを渡すのに対し、Windows Phone 7ではOSがインテントを通じてアプリケーションにデータを渡すイメージだ。OSが主導してデータを統合的に管理する点で、Androidとは異なるOS全体のコンセプトを形作っていると言えるだろう。
そして、Windows Phone 7では、スマートフォンにおいて何よりも重要な部品であるブラウザが非常によくできている。体感では、Androidよりも確実に高速で、iPhoneに勝るとも劣らない高速な応答性を実現している。また、レンダリングの速度においては他のOSの追随を許さない出来だ。HTML5の機能を利用したサイトにおいて、それは特に顕著だろう。あのIEをベースにしたブラウザとは思えない、素晴らしい性能だ。IEも最近になって大規模な改善が行われたが、数値上の性能はともかくとして、体感的な速度ではまだまだ他のブラウザに劣る点が多々ある。その点、Windows Phone 7に搭載されているブラウザは、非常によくチューニングされている。Windows Phone 7に対するMicrosoftの意気込みが伝わってくるというものだ。
Windows Phone 7はAndroidやiOSと比肩するポテンシャルを秘めている。webOSの開発者の引き込みに成功したことで、ソフトウェアの数も改善されていくことだろう。今後のWindows Phone 7にも期待したい。
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