2011年3月14日月曜日

Windowsが抱えるスクロール機構の問題点

 ThinkPadを使用していて常々不満に思っている点がある。Windowsのスクロール機構だ。
 ThinkPadではセンタークリック+ポインティング・スティックの操作によってスクロール操作を行うことができ、スクロールの速度はポインティング・スティックにかける力の大きさによって調節することができる。このスクロール速度の調節は「n行(設定で変えられる)のスクロールの頻度」によって実現している。これこそが問題の根源である。これにより以下の問題点が浮上する。
・設定した行数未満スクロールしたい時に弱い力をかけても小さくスクロールすることができず、定期的にn行ずつカクカクとスクロールしてしまう
・力の掛け具合によって大きくスクロール速度が変わってしまい、中間的スクロール速度を利用できない
・かける力が弱いほどスクロール頻度が下がり、カクついて見える。
これらの問題はすなわち、「スクロールの量的な値をポインティングデバイスから取得できない」ということを意味する。
 一部のポインティングデバイスは独自のプログラムやドライバ等によって量的スクロールを実現しているようだが、これは根本的解決手段にならない。クリック感のあるホイールを搭載するマウスならばこれで問題ないのだろうが、それ以外の全てのデバイスでこの問題は発生するからだ。最も多くこの問題が現出しているデバイスは、クリック感の無いホイールを搭載するマウスだろう。
 しかもMicrosoftはこの問題をスマートスクロールと呼ばれるスクロールに画面が追いつくのを遅くするだけの機能を用いてごまかし、放置している。AppleがMacのマルチタッチトラックパッドによって滑らかなスクロールを実現する一方で、滑らかにスクロールさせるにはスペックが足りなかった頃に開発されたスクロール機構を未だにMicrosoftのWindowsは引きずっているのだ。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Atom機だと滑らかなスクロールでもサイトによっちゃ重いからカクカクなスクロールの方がまだマシだったりする。選択できるようになればうれしい。