2013年11月24日日曜日

[ネタバレ] ECCO THE DOLPHIN 2の翻訳が英語と日本語訳で全く違う件について

ECCO THE DOLPHIN 2は私が特別に好きなゲームの一つである。
このゲームのラストでプレイヤーに提示される「SECRET PASSWORD」の意味が今の今まで分からず、
ふとしたきっかけで検索したら、以下のページを見つけた。

名作アルバム -『エコー・ザ・ドルフィン』-

セガの名作アルバムである。現在トップページからどのような経路で到達できるかは不明。
このコンテンツの中で興味深い記述を見つけた。
ローカライズを担当された長谷川亮一氏のインタビューだ。

P2
……私は機械的な翻訳は嫌だったので、無機質にならないように、血の通ってる翻訳がしたいと常々思っていました。だから、ただの翻訳だけでなく、プラスアルファとしてストーリーを語ったり、ルールの説明をしたり、かなりの情報を詰め込んだつもりです。
(引用ここまで)

P3
普通の本とか見て方眼紙に点を打つんですよ。(中略)向こうは何を打ってるのか全然わかってないわけですよ(笑)
(引用ここまで)

という事で、かなりの意訳が成されているらしい。

おもいでがいっぱい
今回驚かされたのはメッセージを長谷川さんが書かれていたことです。あのメッセージは谷川俊太郎顔負けの名訳だと思っています。
(引用ここまで)

感想の所には上記のようなメール内容も載せられていた。
私も本当に頑張ってクリアして、エンディングのメッセージには涙を流した。
小さな平仮名とカタカナだけの文章でありながら、今見ても胸が苦しくなる、本物の名訳である。

という訳で、エンディングの翻訳文と原文を比較してみた。

以下原文
Epilogue

The Queen retreats
within her machine.
When ecco leaves she
escapes in the form of
a Vortex larva.

The Queen makes her way
to the sunken city of
Atlantis. She finds the
time machine and escape
into Earth's past.

When the Queen arrives
in the prehistoric era,
She encounters creatures
that she cannot rule.
She has no choice but to
live within the life
cycles of the earth.

And, through the eons,
the Vortexkind integrate
with the life on earth.

Ecco finds the time
machine in the City of
forever. Instead of
destroying it, he uses
it and disappears into
the tides of time.

以下翻訳文
エピローグ

エコーは ながい たびのはてに
とうとう タイムマシンをみつけました。

マシンをはかいすれば すべてが
おわるのです。

、、、ほんとうにおわるのでしょうか、、、

かれは アステライトのことばを
おもいだします、、、
かれのそんざいじしんが
じかんの ぶんきてんなのです。

かれは なかまの イルカのことばを
おもいだします、、、

かれの あたまのもようは
うんめいの しるしなのです。

、、、ほんとうにおわるのでしょうか、、、

かれは すべてをおえる ただひとつの
ほうほうを みつけました、、、

タイムマシンを はかいするかわりに
エコーは ときのとびらをひらくと、
えいえんの じかんのながれのなかに
きえていったのです、、、

最後の部分以外がまるで違う文章に置き換えられている。
英語版は最後に何が起きたのかを、説明的な文章で解説している一方で、
日本語版は、エコーの決断を詩的かつ叙情的に表現している他、
何故エコー自身が何故時間の流れの中に消えていく必要があったのか(エコーの存在自身が時間の分岐点だから、という理由に納得が行くかどうかは別として)を説明している。

英語版のボルテックス・クイーンを倒した際に現れる謎の生物が何だったのかを解説の私による翻訳を載せる。
エピローグ

クイーンは彼女のマシンの中へと退却した。
エコーが去る時、彼女はボルテックスの幼生へと姿を変えて逃げた。

クイーンはアトランティスの水没都市への道を開いた。
彼女はそこでタイムマシンを見つけ、
過去の地球へと逃亡した。

クイーンが有史以前の時代に到着した時、
彼女は彼女には支配出来ない生物たちに遭遇した。
彼女はやむなく地球上のライフサイクルの中で生きていく他無かった。

そして、長い時の流れを経て、
ボルテックスの種は地球上の生命の中に統合されてしまった。

エコーは永遠の街でタイムマシンを見つけた。
彼はそれを破壊する代わりに、
それを使い、時の潮の中へと消えていったのだ。

以上である。ボルテックス・クイーン撃破時に現れ、
CITY OF FOREVERで登場する「かれら」はボルテックスの幼生が地球上の生物の系統の中に統合されたものだったのである。
これらの情報が欠けてしまっているのは残念ではあるが、心に訴えかける素晴らしい名訳であると思う。

ちなみに、最後のSECRET PASSWORDは以下の様な経緯で出来た代物らしい。

おもいでがいっぱい
エンディングのパスワードの件、真相をお教えしましょう。
実はあのパスワードを解析プログラムに入れると、総プレイ時間やミスの数、パズルを解いた効率の良さなどがかなり詳細に分かるのです。
これで「ゲームを一番上手くクリアできた人コンテスト」が出来るようにと開発元が仕込んでくれたのですが、残念ながら日本ではコンテストの企画が通らず(集計が大変だ、というのが理由です。今みたいにネットで応募、とか出来ませんしね)、あのパスワード画面だけが残ってしまった、という訳なのです。

(解析プログラムはフロッピーに入れてマスターROMと一緒に保管したので、今でもセガのどこかにあるんじゃないかなぁ?)
(引用ここまで)

この記述を見る限りは、無印の話なのか2の話かは判然としないが、
私は2しかやっておらず、このパスワードも2で表示されたので恐らく2の話だろう。

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